診療案内
ヘリコバクターピロリ
ヘリコバクター・ピロリ(以下ピロリ菌)は、1980年代にオーストラリアで発見されました。ウレアーゼという酵素により胃の中の尿素からアンモニアを作り出し、胃酸を中和することで強酸性の胃のなかでも生きていられます。
日本人のピロリ菌感染率は先進国の中では高く、60歳代以上では60%以上が感染していると言われています。
ピロリ菌除菌による有効性
- 胃・十二指腸潰瘍
- 胃MALT リンパ腫
- 特発性血小板減少性紫斑病
- 早期胃癌内視鏡的治療後の異時性発癌
- 萎縮性胃炎
- 胃過形成性ポリープ
- 機能性ディスペプシア
検査
内視鏡による生検組織を必要とする検査法
1.迅速ウレアーゼ試験
2.鏡検法
3.培養法
内視鏡による生検組織を必要としない検査法
1.尿素呼気試験
2.抗H. pylori 抗体測定
3.便中H. pylori 抗原測定
当院では精度が高いと言われる尿素呼気試験、便中H. pylori 抗原測定を主に行っています。
治療としては現在
プロトンポンプ阻害薬(PPI) + アモキシシリン(AMPC) + クラリスロマイシン (CAM) を1週間投与する3 剤併用法を、一次除菌治療
プロトンポンプ阻害薬(PPI) + アモキシシリン(AMPC) + メトロニダゾール(MNZ) を1週間投与する3 剤併用法を、二次除菌治療として保険で認められています。
現在、ピロリ菌の検査、治療が保険適用になっているのは以下です。
1.内視鏡検査又は造影検査において胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の確定診断がなされた場合
2.胃MALTリンパ腫
3.特発性血小板減少性紫斑病
4.早期胃癌に対する内視鏡的治療後
5.内視鏡検査において胃炎の確定診断がなされた場合